投稿日: 2023.05.21 01:52

P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 予選レポート


スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 予選レポート

SUPER FORMULA 2023
P.MU/CERUMO・INGING
RACE REPORT
第4戦 オートポリス

2023年5月20日(土)予選
天候:晴れ 路面:ウエット/ドライ

#38 坪井翔
予選:ポールポジション
#39 阪口晴南
予選:3番手

 鈴鹿サーキットで行われた第3戦では坪井翔が2位表彰台、阪口晴南が入賞と、2023年は開幕大会となった富士から高いポテンシャルを保っているP.MU/CERUMO・INGING。迎える第4戦の舞台は、九州唯一の国際レーシングコースであるオートポリスだ。阿蘇の山間にあるアップダウンあふれるコースで、バンピーな路面が特徴と言える。

 そんなオートポリスは、2022年に開幕から苦しんできた阪口が復調の兆しをつかんだ場所でもある。チームにとっても決して苦手なコースではなく、シリーズにさらなる勢いをつけるべく5月20日(土)の予選日に臨んだ。

PRACTICE フリー走行

5月20日(土) 9:35~11:05
天候:晴れ 路面:ウエット/ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’28.031/#39 阪口晴南 1’26.593

 レースウイークに向け、オートポリスは5月18日(木)からスーパーフォーミュラ・ライツの走行が行われていたが、2日間とも雨、霧と荒天が続いていた。P.MU/CERUMO・INGINGも5月19日(金)は雨のなかで走行に向けた準備を進めてきたが、5月20日(土)の予選日は、朝方こそ雲が残っていたものの、午前9時35分のフリー走行開始の頃には、少しずつ晴れ間が見えはじめた。

 ただ、コース上は前日まで降っていた雨によりウエットパッチが残っていたことから、坪井翔、阪口晴南ともコースオープン直後はピットでステイ。開始から7分というタイミングで#6 太田格之進がコースアウトしたことで一度赤旗中断となったが、午前9時49分の再開とともに阪口、坪井と順にコースインしていった。

 そんななか、阪口は7周目に1分26秒822までタイムを上げていき、タイミングモニターの最上位につける。また坪井も1分28秒031を記録。5番手につけ、その後もピットアウト~インを繰り返しながら午後の予選に向けたセットアップを続けていった。

 終盤には両車ともピットに戻り、残り5分というタイミングで再コースイン。この時点で阪口は1分26秒822で7番手、坪井は1分28秒031で19番手につけていたが、阪口はニュータイヤでのアタックで1分26秒593にタイムを上げ11番手につけてフリー走行を終えた。ただ阪口は「あまり調子が良くないです」と浮かない表情だった。

 一方の坪井も、「ずっとバランスが悪かった」とフリー走行を通じて苦しむことに。最後はニュータイヤでのアタックを行ったが1コーナーでブレーキをロックさせてしまいタイムを更新できず、20番手でフリー走行を終えた。阪口、坪井ともに予選までに課題は多く、セット見直しに取り組んだ。

2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

QUALIFY 公式予選

5月20日(土) 14:30~15:12
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’26.187/#39 阪口晴南 1’26.474

 午前のフリー走行の後、オートポリスはやや風があるものの澄み渡るような晴れ間が広がり、路面は完全にドライに転じた。14時30分からスタートした公式予選Q1では、阪口がA組に出走し、Q1突破を目指した。

 まずはユーズドタイヤで1度ピットインし、ニュータイヤに履き替えると、ふたたびコースに入っていく。気温23度、路面温度37度と、午前から大きく温度が上がるなかでのアタックで、タイミングが難しい面もあったが、阪口は計測3周目でアタックを敢行。ここで1分26秒919までタイムを縮め、4番手に。午前の不調を取り返してみせた。

 14時45分から行われたB組に出走したのは、フリー走行の後「もう少しコンディションが上がることを見越しながらセットアップをしていかなければ」と語っていた坪井。フリー走行の後に変更したセットをユーズドタイヤで確認すると、残り4分のタイミングでふたたびコースイン。ウォームアップラップを経て、アタックに入っていった。

 ただ、坪井がいざアタックに入っていったタイミングで、同様にアタックしていた#1大津弘樹が姿勢を乱すと、スポンジバリアにクラッシュしてしまった。B組のQ1は即座に赤旗中断となってしまい、坪井はアタックのやり直しを強いられることになった。すべてのドライバーが同様の状況ではあったが、坪井はセクター3まで通過しており、15時02分のリスタート後、坪井はニュータイヤを投入しアタックを行った。

 残り時間3分という難しい状況のなか、坪井は1周にかけアタックを展開。セクター2から一気にタイムを上げていき、1分27秒027を記録。これで一気にQ1のB組のトップに浮上し、P.MU/CERUMO・INGINGは阪口、坪井がそろってQ2進出を果たすことになった。

 赤旗中断があったことから、10分遅れの15時15分にスタートしたQ2。阪口はまず1度コースインし、ニュータイヤを履きコースへ。一方、坪井はフリー走行で使わず、温存していたニュータイヤをさらに投入。ピットでステイした後、チェッカーに向けてタイミングを合わせコースインし、アウトラップの後に一気にアタックに入る作戦を採っていった。

 ここで坪井は、セクター2でベストタイムをマークするなどタイムアップ。1分26秒187を記録し、トップに浮上した。そして、これに続いたのは阪口。1分26秒474というタイムで、一時はP.MU/CERUMO・INGINGがワン・ツーを占めた。

 その後、ライバルのタイムアップで阪口は3番手となったが、坪井のポールタイムは揺るがず。坪井が参戦5年目で嬉しい初めてのポールポジションを獲得してみせた。そして、阪口も3番手と、P.MU/CERUMO・INGINGにとってはフリー走行から一転、会心の笑顔があふれる予選日となった。

2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#38 坪井翔

「本当に嬉しいです!スーパーフォーミュラに参戦して5年、これまで予選2番手は何度かありましたし、前戦の鈴鹿でも獲れたと思ったらギリギリで足りなかったので、『自分はポールポジションを獲れないのか』ということを口には出さないようにしていたくらいです」

「今回、Q1で赤旗が出ましたが、フリー走行で我慢してでもニュータイヤを温存するようにしていたので、それが絶妙のタイミングで功を奏したと思います。明日はポールからスタートすることができますし、優勝するしかありません。ここで大量得点を獲ることができればランキングでも縮めることができると思います。チームでワン・ツーを獲ることができるよう頑張っていきたいですね」

#39 阪口晴南

「坪井選手がポール、自分が3番手ということで、欲を言えばワン・ツーが良かったですが、この結果を嬉しく思っています。これまで自分としては比較的苦戦していたところもあるので、その状況を考えるとこの位置まで上がることができ、チームに本当に感謝しています」

「今日は午前のフリー走行から午後の予選までにコンディションが大きく変わったので、明日もそうなると思いますし、オートポリスのロングランはバランスが変わってきます。今回のQ1でも路面温度で感触は大きく変化しましたが、Q2でうまくアジャストすることができたと思います。明日も早めに変化を察知して、対策しながら走れるようにしたいですね。決勝でもワン・ツー目指して頑張ります」

立川祐路 監督

「チームにとっても非常に良い1日になりましたね!坪井選手がキャリアで初めてのポールポジションを獲得、そして阪口選手も3番手と、不調から抜け出してやっと本来のポジションに戻ってくることができました。予選終了間際にはあわよくばワン・ツーか……というところもありましたが、それは決勝レースにとっておきましょう」

「ふたりのドライバー、そしてチームメンバーのみんながこれまで頑張ってきてくれたことが、結果として表れたのではないかと思っています。明日は決勝レースですが、この調子をキープしていきたいですし、2台でトップ争いをするつもりで、気を引き締めて今からしっかりと準備をしていきたいと思っています」


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