更新日: 2023.04.22 22:54
P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 予選レポート
SUPER FORMULA 2023
P.MU/CERUMO・INGING
RACE REPORT
第3戦 鈴鹿サーキット
2023年4月22日(土)予選
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 坪井翔
予選:2番手
#39 阪口晴南
予選:10番手
4月7~9日に、静岡県の富士スピードウェイで行われた第1戦/第2戦で幕を開けた2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。わずか2週間というインターバルで迎えた第3戦の舞台は、三重県の鈴鹿サーキットだ。
3月には合同テストも行われており、今季唯一事前にテストが行われていたコースだが、今回は二輪との併催となる2&4レース。コースコンディションの変化に対しての対応も必要となる。
そんな1戦は4月22日(土)のフリー走行で幕を開けた。鈴鹿は富士に比べるとオーバーテイクがしづらいコースで、午後の予選は決勝グリッドに向けた重要な意味があった。
PRACTICE フリー走行
4月22日(土) 11:00〜12:35
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’37.265/#39 阪口晴南 1’37.937
予選日となる4月22日(土)の鈴鹿サーキットは、朝から快晴に恵まれた。二輪等の走行に続き、他大会よりもやや遅めの午前10時55分から予定されていたフリー走行だが、二輪で赤旗中断があったことから、5分遅れとなる午前11時00分にスタートした。晴れてはいるもののやや風が強いコンディションのなか、開始5分には#55 ジェム・ブリュックバシェがコースアウト。早くも赤旗中断があった。
P.MU/CERUMO・INGINGは午前11時14分の再開後に坪井翔、阪口晴南ともにコースインすると、まずは3周目に坪井が1分38秒626を記録し3番手、阪口が1分38秒351で2番手につけるなど、好調なすべり出しをみせる。その後もピットアウト~インを繰り返しながら、2台は予選に向けたセットアップを進めていった。
セッションは終盤を迎え、各車ともにアタックシミュレーションを行おうかというタイミングとなったが、そんななか残り11分というタイミングのデグナーカーブ立ち上がりで#7小林可夢偉がクラッシュを喫してしまう。そのためセッションは5分間延長され、午後0時27分に再開された。
ここで各車が一斉にアタックを行っていったが、大きくタイムを上げたのが坪井。1分37秒265を記録し、トップに浮上する。直後にこのタイムは塗り替えられたが、2番手でフリー走行を終えた。
ただ坪井は「クルマは悪くありませんが、これまでもフリー走行で良いときはあったので。予選はコンディションも変化すると思うので、しっかり合わせ込まないといけません」と午後の予選に向けて気を引き締めた。
一方、阪口は1分37秒937というタイムで14番手だが、上位とはかなり僅差。「走り出しからタイムが上がりませんでしたが、そのヒントが今回の走行で分かったような気がします」と今後に向けた明るい材料を得た様子だった。
QUALIFY 公式予選
4月22日(土) 15:55〜16:42
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’35.835/#39 阪口晴南 1’37.004
午前に行われたフリー走行の後、ピットウォークや二輪JSB1000の決勝レースを経て迎えた公式予選。今回、Q1のA組に出走したのは阪口だ。これまで鈴鹿のノックアウト形式の予選では、ポールポジション争いに加わることができていなかった阪口だが、「トップ6に入るハードルは高いですが、昨年までとは異なり、自分たちのベストパフォーマンスを出せば通れるのではないかと思います」とQ1突破に向けて意気込んでいた。
その意気込みを繋げるべく、コースインした阪口は一度ピットに戻ると、残り5分というタイミングで再コースイン。他車とのギャップを作りながらアタックラップに入っていく。ここで阪口はチェッカー周に1分37秒004というタイムを記録。5番手につけQ2進出を果たしてみせた。直後、トラックリミット違反を検証されるが幸い違反はなかった。
続いて午後4時10分からスタートしたB組に出走したのは坪井。「Q1はきっちり走れば通れると思っています」と自信をもっていた坪井は、阪口同様コースイン後一度ピットへ。残り5分で再コースインしていった。
坪井はアタックラップに入っていくと、セクター1、さらに2~3とすべてのセクターで最速タイムを記録していく。そしてそのままチェッカーを受けると、1分36秒413と、2番手以下に0.480秒差をつける圧倒的なタイムをマーク。見事トップタイムでQ1を突破し、P.MU/CERUMO・INGINGは2台そろってのQ2進出を果たした。
10分間のインターバルを経て迎えたQ2だったが、Q1のB組での走路外走行の検証に時間がかかり、5分間ディレイとなる午後4時35分にスタートした。陽が傾きつつあるなか、坪井、阪口の順でコースに入り、チェッカーに向けてアタックラップに入っていった。
上位陣は一気に1分35秒台に入っていくが、そのなかで坪井はアタック一閃!1分35秒835までタイムを上げてみせたが、#53大湯都史樹に0.043秒差届かず。2番手となった。とはいえフロントロウ獲得と好位置につけてみせた。
一方阪口も果敢にアタックを展開したものの、これまで予選で課題としていたQ1からQ2への“上げ幅”が課題となってしまう。またアタック中に、日立Astemoシケインでわずかにアウトにタイヤを落としたこともあり、Q1のタイムにもわずかに及ばない1分37秒023というタイムで、順位は11番手となった。
とはいえ、P.MU/CERUMO・INGINGは坪井がフロントロウを獲得。さらに阪口は予選後、1台がタイム抹消となったためひとつ繰り上がり10番手と、2台が上位を見据える位置につけて予選を締めくくった。富士スピードウェイでの第2戦の展開を考えれば、優勝も現実的な目標だ。チームにとって決勝へ大いに期待を高める予選日となった。
#38 坪井翔
「フリー走行から好調で、公式予選に向けても今週は良い争いができるのではないかという手ごたえがありました。ただフリー走行からタイムが上がりますし、昨年からQ1からQ2へのアジャストする部分で、タイムアップできない状況が続いていました。しかし今回はQ1からしっかり予選を上げることができて良かったですね」
「あとわずかなところでしたし、4戦連続でホンダ勢にポールポジションを獲られているので悔しいところはあります。ただアタックラップについては特に失敗したわけでもないので、仕方がないですね。フロントロウを獲得できたことで決勝に向けて良い流れにありますし、良い位置からスタートできるので、結果に繋げたいですね」
#39 阪口晴南
「Q1突破を目標としていたので、それを危なげなく達成できたことは良かったです。ただその次のステップに進むためには、さらにQ2のタイムを上げなければいけませんでした。アタックではミスもありましたが、上位陣とは差があるので、その点はしっかりと考え直さないといけません。以前よりは良い状況ですが、トップグループの上がり代が計り知れないので……」
「今後もしっかりとQ1を突破して、Q2の経験をつけていかないといけませんし、上がり代がどこにあるのかを探っていきたいです。10番手からのスタートということでポイントはしっかり狙えますし、第2戦をさらに上回る結果が残せるよう、しっかりレースペースを作っていきたいです」
立川祐路監督
「坪井選手は惜しかったですね!あとほんのわずかでした。午前のフリー走行からずっと調子が良かったので、ポールポジションを狙える力はあると思っていましたが、0.043秒差でわずかに届きませんでした。本人も悔しがっていたので、明日はしっかり結果で取り返したいですね」
「阪口選手も昨年からずっと苦労していたところから復調の兆しがありますし、今回もしっかりQ1を突破してくれました。Q2はわずかに伸び悩みましたが、着実にステップを踏めていると思うので、その点は良かったです。チームとしても良いかたちで予選日を終えることができたので、明日の決勝日も良い結果で終えたいと思っています。決勝レースも応援よろしくお願いします!」