更新日: 2021.11.15 02:41
4周遅れから“起死回生”IMSA撤退のマツダが有終の美。白熱のチャンピオン争いは最終ラップでの決着に
今レースがクラス最後のレースとなったGTル・マン(GTLM)クラスは、コルベット、BMW、ポルシェが2台ずつエントリーし計6台での争いとなった。このクラスのチャンピオン争いは、ランキング首位のペアが決勝へ出走した段階で決まる状況で最終戦を迎えたため、3号車コルベット(アントニオ・ガルシア/ジョーダン・テイラー組)がスタートした時点で今季のタイトルを獲得した。なお前述のとおり、このC8.Rはレース前半にクラッシュを喫したため、リタイアを余儀なくされている。
5台での闘いとなった後半戦のフィールドでは、僅差ながら4号車コルベットが有利な状況でレースが進んでいく。しかし8時間過ぎ、今レースに追加エントリーのかたちで出場したウェザーテック・レーシングの2台目、97号車ポルシェ911 RSR-19が首位を奪い、ラストピット後も4号車をリードし続けた。
その後4号車は、ラスト10分で55号車マツダと軽く接触したことにより左リヤサスペンションにダメージを負いスローダウンを余儀なくされる。ドライブしていたニック・タンディはグラベルを横切ってピットに戻ったが、怒り心頭の様子でクルマを降りた後ふたたびコクピットに戻ることはなかった。
4号車の戦線離脱によって2番手を得た79号車ポルシェ911 RSR-19は、最終ラップに僚友から順位を譲られ今季2勝目をマークし、チームとしては初めてのワン・ツーフィニッシュを達成している。クラス3位は決勝前日に来季のGTDプロ参戦と、2023年からLMDhプログラムの運営を担当することがアナウンスされたBMWチームRLLの24号車BMW M8 GTEが入った。
この他のクラスでは、タワー・モータースポーツの8号車オレカ07・ギブソン(ジョン・ファラノ/ガブリエル・オーブリー/ジェームス・フレンチ組)がLMP2クラス優勝を果たした。
なお、同クラスにおいてトップチェッカーを受けたのはポールシッターのPR1マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07だったが、ウインズカラーのマシンは8号車との接触に対して37秒のタイム加算ペナルティを受けクラス2位に降格となった。それでもベン・キーティング/ミケル・イェンセン組がドライバー&チームのダブルタイトルを獲得している。
LMP3クラスは、レース後半に速さをみせたライリー・モータースポーツの74号車リジェJS P320・ニッサン(ガー・ロビンソン/スコット・アンドリュー/フェリペ・フラガ組)が優勝。こちらはロビンソンが勝利でダブルタイトルを手にした。
9メーカーのマシンが集うGTデイトナ(GTD)クラスでは目まぐるしく順位が入れ替わる展開が最後まで続き、この戦いを終盤に収めたハート・オブ・レーシングチームの23号車アストンマーティン・バンテージGT3(イアン・ジェームス/ロマン・デ・アンジェリス/ロス・ガン組)が9号車ポルシェ911 GT3 R(パフ・モータースポーツ)を振り切ってクラス優勝を飾った。クラス3位にはバッサー・サリバン・レーシングの12号車レクサスRC F GT3が入っている。
クラス2位となったパフがチームタイトルを獲得し、同チームのローレンス・ファントールとザカリー・ロビションがGTDドライバーズチャンピオンに。マニュファクチャラー選手権でもポルシェが今戦に参加していないフェラーリを加えた全10社の頂点に立った。
デイトナ、セブリング、ワトキンス・グレン、プチ・ル・マンの4戦からなる“IMSAミシュラン・エンデュランスカップ”の各クラスチャンピオンは以下のとおりだ。
■DPiクラス
●ドライバー:アレキサンダー・ロッシ/フィリペ・アルバカーキ/リッキー・テイラー
●チーム:コニカミノルタ・アキュラARX-05(ウェイン・テイラー・レーシング)
●マニュファクチャラー:アキュラ
■LMP2クラス
●ドライバー:ベン・キーティング/ミケル・イェンセン/スコット・ハファカー
●チーム:PR1マティアセン・モータースポーツ
■LMP3クラス
●ドライバー:ガー・ロビンソン/スコット・アンドリュー
●チーム:ライリー・モータースポーツ
■GTLMクラス
●ドライバー:ニック・タンディ/トミー・ミルナー
●チーム:コルベット・レーシング
●マニュファクチャラー:シボレー
■GTDクラス
●ドライバー:ヤン・ヘイレン/パトリック・ロング/トレント・ハインドマン
●チーム:ライト・モータースポーツ
●マニュファクチャラー:ポルシェ